では、ただ湯切りを長めにすれば良いのかというと、そんな単純な話でもないのです。
次に問題になるのが“乳化”です。糊化したデンプン粒は文字通り糊のように粘り気が出てきます。これがソースの乳化の手助けとなるので、湯切りをしすぎるとパスタの表面にある糊化した茹で汁まで流れてしまい、パスタとソースの馴染みが悪くなります。
そこで湯切りの時間を5秒後から1秒づつ長くしていき、ソースの馴染み具合とパスタの伸び具合を検証しました。
その結果、湯切りを”11秒”にした時がベストだと判断した訳です!!
では、ただ湯切りを長めにすれば良いのかというと、そんな単純な話でもないのです。
次に問題になるのが“乳化”です。糊化したデンプン粒は文字通り糊のように粘り気が出てきます。これがソースの乳化の手助けとなるので、湯切りをしすぎるとパスタの表面にある糊化した茹で汁まで流れてしまい、パスタとソースの馴染みが悪くなります。
そこで湯切りの時間を5秒後から1秒づつ長くしていき、ソースの馴染み具合とパスタの伸び具合を検証しました。
その結果、湯切りを”11秒”にした時がベストだと判断した訳です!!
結論から言うとパッセの湯切りは11秒します。
少し長いと感じるかもしれませんが、これには理由があって、パスタを茹でると外周部のデンプン粒の構造が熱によって崩れ、水分子が入りこみ糊化が生じます。
糊化は中心に向かって徐々にすすみ、水分も中心に向かって浸透します。アルデンテを外周部の含水率が80%以上で中心部は40%以下の芯が残っている状態と定義すると、糊化は前述した通り熱と水分が必要になるので、湯切りを長めにしパスタ内の水分をある程度減らすことで糊化の速度を遅らせる。つまり、アルデンテの状態を長めに維持できるという訳です。
パスタを擦り合わせないで乳化させるには…
コツがいるのだが、パスタ全体を1つの塊として動くようにフライパンを動かすのだ!その時にパスタを半分持ち上げながら混ぜる事で、糊化したデンプンがソースに溶け出すのを防ぎつつ乳化できるのである。
そして予想通り、この乳化の仕方をするようにしてからネチョネチョ感はなくなったのである!!
このネチョネチョとした食感の悪さは乳化のしすぎではなかったのだ!!
それは小麦デンプンの”糊化”によるものだったのである!!
“糊化”とはデンプン粒が水を吸ってふくらみ壊れていく過程の事で、文字通り、糊のようになることである。
この糊化がパスタのモチモチとした食感を生み出しているのだが、乳化時パスタとパスタを擦り合わせる事でこの糊化したデンプンがソースに溶け出しネチョネチョした食感になってしまったという訳である。
ここで問題なのがペペロンチーノなどオイル系のソースの場合、しっかり混ぜないとソースが乳化しにくい。しかし、パスタを擦り合わせるとネチョネチョしてしまう。
パスタを擦り合わせないで乳化させるには…
最初に取りかかったのは、道具の変更だった。
今までは乳化しやすいという理由でパスタを混ぜる際ゴムベラを使用していたのだが、これだと乳化するかしないかのギリギリのラインを見極めるのが難しかったので、トングに変更した。
そして、このギリギリのラインがかなり難しい。少しでも乳化があまいと時間が経つと分離してしまう(~_~;)これではお客様に出せない…。
そんな試行錯誤が続いたある日、理想の乳化具合にたどりついた(✽ ゚д゚ ✽)後でその理由がわかるのだが、このネチョネチョした食感の悪さは乳化のしすぎではなかったのだ!それは…
大幅な改良を行う時、妻の一言がキッカケになる事が少なくない。今回の乳化の改良もそうだった。
「何かねちょねちょしてる」
Σ(゚Д゚)
毎日、その日の茹で時間を決めたり、改良の試食をしているのだが、オイル系のパスタを食べた妻からの一言だ。
確かに、オイリーで食感も悪い。乳化させすぎて麺にソースが絡み過ぎオイルが口に残るのかも…(-_-;)
今までは「乳化をしっかりするのが良い」と思っていたが、させ過ぎるのも良くないのかもしれない。
全てのパスタを一律30回混ぜていたのだが、出来上がりの状態を見極めて、乳化させすぎないようにしてみる。
パスタをモチモチに茹であげるには、麺にキズを入れて、水分を含みやすくする。その為の3つのポイントが①混ぜ方、②回数、③タイミングである。
①混ぜ方…テボにパスタをこすりつけるようにして混ぜ、キズをいれる。
②回数…合計11回混ぜる。
③タイミング…パスタを茹で始めてから50秒後に混ぜる。
結論:50秒がベスト!!
その後、麺にキズつけるタイミングを1分後で試してみた。すると、パスタがプリプリの良い状態で茹で上がったのだ!!
「きたきたきたーーーー(๑•̀ㅂ•́)و✧」
僕の考察はこうだ!
茹で始めてからすぐ混ぜても麺が硬すぎてキズが入りにくい。→細くなる。
2分後混ぜると、茹で上がったモチモチの部分を削りとってしまう。→細くなる。
ある程度麺が柔らかくなり、キズが入りやすい状態になってから混ぜる事がポイント。そして1分10秒、1分20秒…。50秒、40秒…。と試していった結果、麺を茹で始めてから50秒後が1番キズが入りやすくプリップリに茹で上がる事がわかった!!
一言で言うと…
「意味わからん(~_~;)」
僕の考えでは混ぜる(パスタに傷をつける)タイミングが遅ければ、茹で上がりの麺が細くなると思っていた。実際2分たってから混ぜた時は、予想通り細く感じ、モチモチ感も少なかった。ただ、それと同じくらい、茹で始めてすぐに混ぜた場合いもモチモチ感が少なかったのである。
混ぜる(傷をつける)タイミングとパスタの食感には関係がなかったのか??
他に原因があるのか?
「…意味わからん(´д⊂)‥ハゥ」
「パスタが細くなる理由がわかったかも(✽ ゚д゚ ✽)!?」
以前より茹で上がりのパスタの状態にブレが少なくなってきた。やはり、混ぜ方を決めた事でパスタにつけるキズの深さをある程度一定にできたのが要因だと思われる。
それともう1つ大発見があった!!
茹で上がりのパスタが細く感じられた時、混ぜるタイミングかいつもより遅かったのだ!もしかしたら混ぜるタイミングが茹で上がりの状態に関係しているのかもしれない。
という訳でとりあえずパスタを茹で始めてすぐ混ぜるのと2分後に混ぜるのとで麺の状態にどう変化があるのか確かめてみることにする。